日本企業の業務システムが阻むAgentic AI

大企業の業務システムは業務フローのステップごとにいくつも連なって一連の業務の流れを作っています。業務システムと業務システムとの間には事務スタッフの作業が入り込んでいます。チェックしたり、承認をとったり、追加データを入力したりするステップです。それら事務スタッフがこなす作業をAI Agentにやらせることができれば、全体の業務プロセスが大幅に簡略化できます。いわばGoogleが挑戦しているAgenticコマースの社内システム版です。

一つ一つのやりたいことは単純なのですが、実際にやり始めてみると友人は色々な難題にぶつかってしまいました。社内に散らばっている業務システムがバラバラで、うまくつながらないのです。業務システムにはそれぞれアクセス権限が設定されています。詳細な業務プロセスを間違いなく実装するためにはかなり込み入ったアクセス権限の設定が必要です。そしてアクセス権限は個々の業務システムのデータベースやアプリケーションプログラムの中に埋め込まれています。バラバラになっているアクセス権限を解き明かし、AI Agentたちが必要なデータをアクセスできるようにするには、相当な覚悟と努力が必要になっています。

つまり業務システムに関わる全てのスタッフのIDを共通の仕組みで管理するだけではダメで、それぞれの業務システムの権限管理を全て解き明かす必要があります。しかもAI Agentがいくつも登場すると、その役割ごとにアクセス権限を管理しなくてはならなくなり、膨大なID管理の仕組みが必要になるというのです。この問題はOpenID Foundationの場でも取り上げられていて、2025年10月に「Identity Management for Agentic AI」というタイトルでホワイトペーパがOpenID Foundationから公開されています。